第二回の深堀コラム!
意外と需要があるのか前回のコラムも閲覧数も多かったので調子に乗って続けてみます😉
今回は毎回の指導内容を考える上でベースとして考えている「テコンドーの技術階層」について。
テコンドーの練習では、テコンドーの基本動作から型の練習、約束組手、ミット蹴りや実践的な自由組手の練習など様々な練習を行います。
ところで、特に格闘技好きな方にはこんな風に思う人はいないでしょうか。
「型なんてやっても正直実戦には何の役にも立たない」
「武道の表現運動としての価値はあるけど、組手と型は全然別の競技だよね」
・・・はい、すみません、私は思っていました😅
組手の方が強くなりたかったからもっとミット蹴りとか組手の練習ばしばしやりてぇと
正直思ってました!
ただ、組手で伸び悩んでいた時期に師範から
「マッソギ(組手)で強くなりたければトゥル(型)を磨け!」と
言われ、半信半疑ながらも嫌々型をまじめにやるように(我ながらひどい弟子だ💦)
そうすると、確かに自分の組手の動きが変わるんですよね!
一つ一つの動きにつながりが生まれるというか、
一撃に芯が入るようになるというか。
そんな表面上ではない「テコンドーとしての本質的な上達」は
確かに型や基本動作で身に付けるものなのだなぁと思うようになりました。
下地となるテコンドーの基礎をおろそかにするとどこかで頭打ちになると。
ただ、これもまた同時に現実なのですが、
型や基本ばっかりやってそれがめちゃくちゃうまければ組手で勝てるか、というと
やっぱりそれも違うんですよね。
だって一人でやる型と違って相手は自由に動きますし。
どんな理想的な素晴らしい技も、当たらなければどうということはありません。
さて、そんなことを長年考えた上で人に教える立場になったときに
私はテコンドーの技術の階層的な構成について私は下のような図を使って
説明するようにしています。
「テコンドーの力の原理」:基礎力を築く土台
技術階層の土台となる部分は、一人で行うトゥル(型)、基本動作、基本蹴りで磨く部分。
筋トレやストレッチでテコンドーのための体を作るのもここに入るかな。
ピラミッドの土台部分でここが小さいと大きなピラミッドをつくることはできません。
肝心なのはテコンドーの「力の原理」をいかに利用できるようになるか。
まずはここから始め、土台を大きくし、ふと伸び悩んだ時はこの部分に立ち返ることが必要な大事な部分です。
「対人に技を使う」:距離、角度、タイミングを見極める
ピラミッドの中段にあたるのが「対人に技を使う」段階。
どんなに力の原理を理解した強力な技でも、相手がいる以上、
正しく効果的な距離、角度、タイミングを理解し、
体現できるようにならないと当てることはできません。
約束組手やミット打ちは、この段階で重要な役割を果たします。
まずは約束された動きを相手にやってもらう中で
繰り返し正しい距離や角度、タイミングを身に付けていく。
相手の動きを瞬時に察知し、最適な反応を返す能力を磨くことで、
技を単なる動きから「使える技」へと昇華させるのです。
「戦術」:技術を適切に選択し、組み立てる
そうして、
テコンドーの力の原理を理解した技を身に付け、
それらを正しく効果的な距離、角度、タイミングで使えるようになり、
いよいよ最上段に位置するのが「戦術」の層です。
ここでは、自分の持つ技をどのように適切に組み合わせ、
状況に応じて選択するかの領域です。
どんなに良い技を一人で打つことができ、
約束の中でスパン!と決めることができたとしても、
実際は自分の都合の良いようにばかり動いてくれるわけはありません。
そこで相手の動きを見ながら、自分の手持ちの技から適切な技を
選択する力というのが必要になってくるわけです。
自由組手や半自由組手の中で、技を自由に組み立て、試合形式に応じて適切な技を使う能力を養うのがこの段階です。
自由に動きながら自分のできることは何かを自覚し、
戦術を立てて動くことができる。
そんな力が身に付けば、かなりの実力が身についていっているといっていいでしょう。
ついつい、初心からちょっとできるようになると
この戦術ばかりに目が行ってしまいがちです(自戒を込めて・・・💦)
しかし、戦術を駆使するためには、下層の「テコンドーの力の原理」や「対人に技を使う」力が十分に備わっていることが前提となります。
どんなに頭をひねっても、最後に物を言うのは基本的な強さです。
ヒル魔先輩もこう言ってます。
0.1秒縮めるのに1年かかったぜ・・・!!
かっこ良すぎてしびれる・・・
なんにせよ、上達していくには土台となる基礎からその活用、応用までバランスよく
磨いていくことが必要であり、特に基礎については長い時間をかけて、
時には初心に帰りながら積み重ねていくことが大切です。
リアクション柏テコンドーでは、毎回の練習の中で基礎を磨く時間は必ず設けながら、
その技を活用したり、自分の持つ技術を選択したりする上位階層の技術を磨く時間を
バランスよく作れるように意識しています。
まとめ
今回はテコンドーの技術階層について私見を述べさせてもらいました。
結局のところなんでもそうかもしれませんが、基礎を固めた上で、その技を活用し、さらには応用力を身に付けることで本当の強さが身につきます。どんなに戦術を磨こうとしても、基礎が揺らいでいては効果的に活用できません。上達の鍵は、常に初心を忘れず、基礎から応用までバランスよく鍛えること。
私自身も忘れないようにしながら、これからも皆さんと一緒に技を磨いていきたいと思います!
ここまで読んでいただいてありがとうございます!
毎週末こんな感じでちょっとマニアックな微妙に理屈っぽいブログをあげていこうと思います!来週もお楽しみに!
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